【Vol.101】 人間関係に困ったら──ダンスの世界に学ぶ“ちょうどいい距離感”
こんにちは、SHINJIです。
20年間、ペアダンスの現場にいると、こんなお悩みもいただきます。
「やんわり断っても、しつこく誘われてしまう」
「誘った際、過度に嫌な反応をされた。もう近づきたくない」
「気の進まない相手から連絡先を聞かれて困る」
「ただ踊りに来たのに、恋愛目的で話しかけられてしまう」
人と人が集まる場だからこそ、色々な価値観が集まります。
ときには目的が混じり合い、思わぬストレスを感じることもあります。
講師として感じる、そんなときに活用したい、ダンスの場を心地よくするコツは、
“適切な距離感の取り方”と“やんわり示す技術”。
今日は、その具体的なヒントをまとめてみたいと思います。
◆ ペアダンスはさまざまな”目的”が共存する場所
“社交クラブ”の側面が無いとは言いませんが、本来ダンスの場は、音楽と踊りが中心の場所です。その上で、ペアダンスの場には──上達・運動・表現・友達作り・恋人探し。さまざまな目的を持つ人たちが共存しています。
こうした多様性そのものはペアダンスにおける醍醐味の一つであり、否定する必要はありませんが、同時に、自分が望まない目的で近づいてくる人たち(もしくは極端な反応の人たち)も一定数いるのも事実です。
目的は人それぞれ、ただ”境界線”は自分で選べる
自分が望まない目的まで抱え込む必要はありません。「友達/恋人探し」も「上達」も、この場所に全て存在する事実ではあるので、否定自体はしない方がベターですが、自分が望まないなら、“境界線(バウンダリー)”を優しく示すことは可能です。
例えばソーシャルでの境界線ですが、
1. 物理の境界線:“礼儀正しく離れる”ことはできます。
2. 言葉の境界線:“踊りに来ている”を起点に示すと角が立ちません。
例:
「私、フロアはダンス練習モードなので、連絡先は交換していないんです・・・」
※その後は、礼儀正しく物理的な距離を保つ。
以下に詳しく、具体的なテンプレ集を纏めます。
🌱 ◆ テンプレ集:距離感コントロール
1. やんわりかわす「踊り優先フレーズ」
苦手な相手がいても、ダンスの場では、どこでも会う可能性があるので、
まずこちらが基本。礼儀正しく離れる場合はこちらです。
言葉:
「今は疲れていて休んでいて…」
「今日は練習に集中していて…」
「後でタイミング合ったらお願いしますね」
行動:
・目線を合わせない
・一定の物理的な距離を保つ
👉 「拒否しているのではなく、踊りや休憩を優先している」というニュアンスが伝わると、角が立ちにくいです。
2. 連絡先を求められた時の断りフレーズ
言葉:
「プライベートは分けていて、ダンスでは交換していないんです」
「今はSNSやってなくて、ごめんなさい」
「連絡先はちょっと難しいけど、また今度踊って下さい」
行動:
・ダンスが目的であることを明確に示す
👉 「ここ(ダンスの場)での関係は歓迎。でもそれ以上は求めていない」という線引き。
3. しつこい相手への“ストップ合図”
礼儀正しいけれども、曖昧ではなく、“はっきり”と示します。
言葉:
「踊らなくて大丈夫です(はっきり)」
「休憩中です(はっきり)」
行動:
その場から分かりやすく離れる/携帯を見る/水を取りに行く/席を立つ
👉 「それ以上は踏み込まないでほしい」という意思を、静かに・繰り返し同じ反応ではっきり伝える。
4. あえて“周囲の目”を味方にする
それでも距離感が難しいときは、周囲の環境も利用しましょう。
行動:
・複数人のいるスペースに移動する
・信頼できる仲間やインストラクターの近くにいる
👉 フロアはオープンな場なので、周囲の空気を借りるのも立派な対処法。
5. リスクを下げる“予防習慣”
行動:
・服装や雰囲気を「踊り寄り」に寄せる(過度に誤解されにくい)
・最初から「今日は踊りの練習モード」と宣言する
・レッスン後すぐ帰るルートを作っておく
👉 「隙を見せない」「余計な時間を作らない」で、相手の入り込む余地を減らす。
6. 極端(嫌)な反応をする人への”距離感”
人が集まる場では、男女関わらず、必要以上に極端(嫌)な態度をする方もいます。その場合、基本は離れれば良いですが、自分も同じ“嫌な反応”をしてしまったら、相手と同じ土俵に落ちてしまい、場合によっては不必要なトラブルも招きます。仕事の人間関係と一緒ですが、ここは一つ、もし余裕があれば一段階上の“マチュアな大人の対応”を練習してみましょう。トラブルを避けると共に、自分の成熟度も上がります。
行動:
・嫌な反応をされても、笑顔で離れる (同じ嫌な対応はしない)
・その後は物理的な距離を取る(無理に近づく必要は無し)
👉人生と一緒で、ダンスも合わない人はいます。自分が気持ちよく、共鳴して一緒に踊れる人と踊って楽しめればOKです。
7. どうしても無理な場合の“セーフティライン”
度を過ぎたハラスメントや、危険を感じる行動があった場合は、
以下の方法もあります。
・主催者・先生・運営に相談する
・イベントであれば、スタッフに一言伝えておく
・場所を変える
👉 自分の安全と安心が最優先。嫌な思いを我慢してまで残る必要はありません。
◆ 補足:トラブルを避ける“かわし方”が教えてくれること
嫌な態度を取ってしまったり、強く反発してぶつかってしまい、トラブルに発展してしまうよりも、サッとかわして距離を取る方が、ずっと大人で成熟した対応です。
どの世界でも一緒ですが、しつこく口説いてくる人や、自分の価値観を押し付けてくる人は、どんな場に行っても同じようにトラブルを起こしがちです。
だからこそ、同じ土俵で無理に向き合う必要はありません。自然に離れて、自分が安心できる場所や人との関わりを大切にする。それが結果的に、長くダンスを楽しむ秘訣です。
あと、余裕があれば、もう一歩踏み込みたいのは、「自分が自意識過剰になっていないか?」もチェックしてみることです。
意外と相手は悪気が無く、そこまで自分のことを気にしていないのに、「この人は私に近づきすぎ」とか、「嫌われたかも」「変に思われたかも」と考えすぎてしまうこともあります。
他人は本来、自分以外にそこまで注目していないものです。もしそういった自意識過剰の側面が万一あるようであれば、それに気づくだけでも、心が軽くなり、より自然にフロアを楽しめるようになります。
その上で、観察の視点も持つと学びも増えます。「この人はいつもトラブルを起こすなあ」と感じる時、反面教師として「自分も似た態度を取っていないだろうか?」と静かに振り返るのも一つの成長のきっかけになります。そうした気づきは、自然に自分のダンスや人との向き合い方を磨いてくれます。
長く現場にいると、ダンスの場はその人の“人生の縮図”のように見えてきます。ダンスの価値観や相手との距離感に、その人の性格や人間関係のあり方がにじみ出る。だからこそ、反面教師も含めて観察してみると、自分にも気づきが返ってきて、学びにもなります。
いずれにしても、主観としては、「ダンスに来ているのだから、まずはダンスに集中する」というスタンスを持つと、色々な人がいても、余計なノイズに振り回されず、自然に心地よい人とのつながりが生まれていきます。
◆ まとめ:境界線は「拒否」ではなく「選択」
・ペアダンスの場には、多様な目的が共存している
・だからこそ、自分が望まない目的は 境界線を選んで切り分ければ良い
・「踊りに集中する」というスタンスを持つことにより、自然に距離を取れる
・どうしても合わない場合は、静かに場所を替える選択もOK
・成熟した対応=相手を拒絶することではなく、自分を守りながら踊りを楽しむ工夫。
それができれば、余計なノイズは消え、ダンスの本来の楽しさに自然と集中できるようになります。
またフロアで。
SHINJI
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