【Vol.103】ライフステージとともに変わる──ダンスへの関わり方と人間関係のポートフォリオ
こんにちは、SHINJIです。
サルサやバチャータの現場に長くいると、「仲良くなる人・離れていく人」に悩む声も度々お伺いします。
目的、目指すゴール、誘い方や距離感、苦手な相手への向き合い方──答えは一つではありません。ただ、20年以上の現場感として強く思うのは、ご縁にはリズムがあるということです。言い換えると、人生が季節とともに移ろうように、ライフステージが変われば、ダンスへの関わり方も、出会う人も、人間関係の距離感も自然と変わっていくということです。
例えば、同じ熱量・同じリズムで過ごしている人たちとは長く一緒に踊れます。一方で、目指すものが変わったり、環境が変わったりすれば、気づけば離れていることもあります。
私自身、かつては離れゆくチームメンバーを引き留めようとした時期もありましたが、結局は皆、離れていきました。 当時は悩みましたが、いま振り返れば、それは悪いことではなく、「目指すものや求める環境が異なる(or 変わった)」ということでもあり、ステージとして“そういうものなんだな”、と、今であれば、心から思うことができます。
だからこそ、その瞬間の人間関係に一喜一憂するのではなく、今の自分のフェーズを理解し、それに合ったダンスへの関わり方をデザインしながら、自分自身でも腹落ちできるコンセプトが大切になります。本稿では、そのヒントとしてライフステージ × ダンスへの関わり方 × 人間関係ポートフォリオの三つの視点で整理してみます。
🔸ライフステージごとの人間関係とダンスの関わり方
まず環境が変われば、人との付き合い方も、ダンスの楽しみ方もシフトしていきます。人によって異なりますが、”一般的な観点”におけるライフステージを、人間関係とダンスの両面で整理しました。
- ① 思春期(10代)
【人間関係】友達との一体感が最大のテーマ。誰と過ごすかが自己形成に影響。
【ダンス】「仲間と楽しむ」原体験の時期。技術と共に、体験の共有が意味を持つ。 - ② 成人期(20代〜30代前半)
【人間関係】夢を共有できる仲間・パートナーとの絆が深まる。挑戦のフェーズ。
【ダンス】体力も時間も潤沢な黄金期。世界大会や遠征、環境によっては毎晩の練習も可能。仲間と切磋琢磨して一気に伸びる。 - ③ 家族期(30代後半〜50代)
【人間関係】家族で”子供へのケア”や”親の介護”が入って来る時期。仕事の責任含めて、時間・エネルギーの再配分が必要。関係の「選択と整理」が進む。
【ダンス】生活の優先順位付けが発生する時期。仕事もプライベートも、自分中心から周囲を”支える側”へ。体力含めて、頻回なダンスは難しくても、週1や月数回が心の栄養に。バランスの中で「自分の時間」としての位置づけに。 - ④ 更年期(50代〜60代)
【人間関係】「本当に一緒にいたい人」に自然と絞られる。健康と安定がキーワード。
【ダンス】勝ち負けよりも「心地よさ」へ。健康・リズム・共鳴を味わうスタイルへ移行。 - ⑤ 老年期(70代以降)
【人間関係】少数でも深い関係が中心。「一緒に時間を過ごす」こと自体が宝物。
【ダンス】大きな動きができなくても、音楽に身を委ねるだけで満たされる。「踊れること自体が幸せ」という境地に。
🔸ライフステージをダンスに置き換えて纏めると…
- 思春期…ダンスが「楽しい」と刷り込まれる時期。原体験づくり。
- 成人期…体力・時間が最大化。大会やショー、遠征に挑戦しやすい。
- 家族期…時間の優先順位付け。ダンスは1回/週程度の練習や月数回のイベントが平均値。心身のリフレッシュに。
- 更年期…健康と充足。心地よく続けられる踊り方へ。
- 老年期…音に合わせて体を動かす喜びそのものが中心に。
──勿論個人差はあると思いますが、言いたいことは、ライフステージとともに、目的やゴールが変っていくのは自然、ということです。その上で、人間関係もダンスへの関わり方も、“形を変えて続いていく”ということ。衰退ではなく、その時々にふさわしい豊かさへと再設計されていくプロセスです。
🔸人間関係ポートフォリオという整理法
変化を前向きに受け止めるために、私は関係性を4つに整理しています。これらは自分のゴールやライフステージによって、日々変わっていくものでもあります。
- ① 無償の愛を注ぐ人たち…家族や自分自身。安心の基盤。
- ② 繋がりたい人たち…共鳴できる仲間・一緒に未来を描ける人。
- ③ 適切な距離感を考えて接する人たち…無害・節度・深入りしすぎない設計。
- ④ 一度リセット…感謝して思い出に整理。新しい余白をつくる。
ダンスのご縁もこの4分類で眺めると、「去る人・残る人・また会う人」を流れとして受け止めやすくなります。
私自身の体験談として、20代は仕事で忙しくても、自宅の自主練含めて、ほぼ毎日何かを練習していました。イベント・ショーに挑戦し、夜遅くまでチームメンバーと切磋琢磨する日々でした。
ただ30代~40代は、家族を中心に、週1のレッスンやイベントがちょうど良い状態(ぎりぎり)です。子供たちをサポートしながら、仕事でもポジションが上がり、チームマネージャーとしての責任も増えています。自分のことだけを考えている訳にはいきません。結果として、全力の時期から、無理せず確実に楽しむ時期へと自然にシフトしてきました。
それは「衰え」ではなく、ライフステージに合わせた新しい付き合い方だと感じています。そして、出会う人も、人間関係もダンスへの関わり方も、「今の自分に合った距離感」へ、穏やかに再構築されていきました。
🔸まとめ:その時の自分に合った楽しみ方を
個人差はあると思いますが、若い時期の全力は眩しいです。家族や仕事を優先しつつ、週に一度だけ踊る選択にも大きな価値があると思います。年齢を重ねたら、健康や心の安らぎのために踊ることは、ダンスと人生の豊かさになります。
その上で、一番大切なのは、その時の自分に合った楽しみ方を選ぶことです。そうすれば、ダンスは無理なく人生に組み込まれ、自然に自分を輝かせてくれます。
例えば、周囲から「もっと練習しないと駄目。レッスンに来て。」「自主練やステージに参加しなきゃ上手くならないよ。」といった声が聞こえたとします。けれど、人の基準に合わせる必要はありません。ダンスはあなた自身のものです。自分で決めて進むことができます。
逆に、「いい年して毎晩踊りに行っているの?」と、言われても、気にしないで大丈夫です。60代後半から始めて、大会に出る人だっています。生き方や価値観は私たち自身のものです。自分の価値観は、他人は分かりません。言い換えると、究極、自分のことは自分にしか分かりません。自分で自分自身を大切にしてあげつつ、心の鳴る方向へ進んでほしいなあ、と、感じます。
纏めると、自分の基準で、自分に合った距離感で選んでいく。その姿勢こそが、大人の成熟した楽しみ方だと思います。これは「人間関係ポートフォリオ」にも同じ。人との距離も、誰かの基準ではなく自分基準で心地よく整理すれば、ダンスも人生も人間関係も、自然に自分の一部となって輝いていきます。
──踊れることも、人と出会えることも、その瞬間が人生からの贈り物。だからこそ、今の自分に合った一歩を選びながら、静かに、自由に楽しんでいきたいですね。
またフロアで。
SHINJI
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