【Vol.129】沢山レッスンを受けているのに上手くならない理由

Bachata

【Vol.129】沢山レッスンを受けているのに上手くならない理由

こんにちは、SHINJIです。
先日のイベントのソーシャルタイムで、こんなご相談をいただきました。

「実は週に何本もレッスンを受けています。いろんな先生のWorkshopにも出ています。でも正直、あまり上手くなっている実感がありません。先生によって言っていることが違うように聞こえるときもあります。真面目にやっているのですが…、どうしたら、もっと伸びますか?」

今回はこのご相談を起点に、“今の自分に合うものを厳選して選ぶ”という上達設計を整理してみます。


結論:上達が止まる原因は、合わない情報の取り過ぎによる「消化不良」の可能性

まず結論から言います。沢山レッスンを受けているのに伸びない人の多くは、やる気が足りないのではなく、今の自分に合わないものも含めて、情報を取りすぎている可能性があります。

  • 自分の段階・レベルが異なる内容の受講
  • 先生ごとの(異なる)理論
  • 進化方向の異なるスタイル
  • 合わない身体感覚

これらを無理に全部同時に抱えると、現在における自分のフェーズ(自分が本来どの段階にいるのか)が見えにくくなります。同時に、自分に合った本来のネクストステップが分からなくなりがちです。そして結果的に、

  • 理解できない内容を吸収しようとする
  • 何が正しいのか分からなくなる
  • 自分に合っていない内容に無理に合わせようとして消耗する
  • 摩擦が増える
  • 上達実感が薄くなる

という状態になりやすくなります。


整理① フェーズが違うと、同じ言葉でも“意味”が変わる

例えばレッスンで、以下のような内容を、先生から言われたことがある方は多いのではないか、と思います。

・「フレームをしっかり固定する
・「カウントで止まる
・「背筋をまっすぐに伸ばし、余計な動きを入れずにステップを踏む」

これらは、初心・初級のフェーズにおいて全部正しいです。でも、同時に以下のような話を一緒に聞いたことがある方も多いかと思います。

・「フレームを固定しすぎない、柔らかくリードする」
・「カウントで止まらない、力の流れを繋げる」
・「体を柔らかくして、音楽と共鳴しながらツイストやスタイリング表現も入れる」

正反対の内容に聞こえますが、こちらも中級以降のフェーズで全部正しいです。言い換えると、一つ一つのアドバイスは二面性があり、よりどちらが適切なのかは、フェーズや目指す表現によります。すなわち、今の自分がいるフェーズで適切なパターンと、適切でないパターンがあります。

例えば、ベーシックステップのような部品が整っていない状態で、「音楽性」を入れても混乱しますし、軸が安定していない状態で、「遊び(スタイリング)」を入れると崩れます。

逆に、すでに応用の領域に入っている方が、「例外なく一定のカウント、型のルール通り踊り続ける」、というのも、表現やミュージカリティの観点で、伸び悩みの原因になるでしょう。

つまり、フェーズが違うと、良いアドバイスもノイズになります。ここが、沢山学んでいるのに伸びない、という、ボトルネックになる可能性がある構造の一つです。


整理② 先生が違う=“進化の方向”が違う

こちらは過去Vol.86でも触れましたが、ダンスは、ジャンルや思想によって、進化の方向が違います。言い換えると、違う先生に習うということは、この進化が異なる状況に出会う可能性も、現実としてあり得ます。
※ご興味ある方はこちらもご参考下さい。
【Vol.86】レベルの差だけじゃないかも!? 噛み合わない時の視点切り替え3選

  • 異なるジャンル・スタイル
  • テンション重視の方向
  • 魅せる方向
  • 機能美の方向
  • ソーシャル特化
  • コンペ特化
  • 音楽重視
  • 個性

分かりやすい例として、センシュアルバチャータ出身の、ボディームーヴメントを軸に踊る方が、サルサ中上級者層の、ダブル・トリプルターンといった、疾走感のあるスタイルで踊る性質の方と踊った場合、相手側も自分も合わない、と、感じることはあるでしょう。

それはどちらかが悪いという訳ではなく、単純にスタイルの違いです。どれも間違いではありません。ただし、慣れないフェーズで全部同時に取りに行くと、身体が分裂します。吸収率も上がりにくくなります。だからこそ必要なのは、今の自分のフェーズで“合うものを厳選して選ぶ”設計です。

対応策:今の自分に“合うものを厳選”する仕組みを作る

ここからが具体策です。この手の解決策については、まず自分の“観察眼”を養うことが有効です。

① 観察の時間を“意図的に”作る

ただ受動的にレッスンに行って学ぶ、ただイベントで踊る、ではなく、自ら観察する日も作っていきます。そうすると、時々の瞬間に、必ず「これは憧れる」というようなダンスを見る瞬間があります。そのときに、

  • このダンスの何が好きか?
  • どこに心が動いたか?
  • 自分が真似できそうなのはどこか?

を観察し分析していきます。一曲全部を観察すると情報過多になりがちなので、取り入れられる範囲の、一部分だけを見るのがコツです(例:カウントの取り方が上手い、音はめが上手、ツイストが綺麗、アームスの使い方がドラマチック 等)。

そうすると、感覚の観点で、今この瞬間に、自分が目指したいスタイルや近いジャンルが何なのか、取り入れたい要素が何かが、自然に見えてきます。これが「厳選する」の第一歩です。

② 心が響いた瞬間をメモして持ち帰る

さらに、上達する人は、感覚を流しません。

・今日響いたレッスンでの一言
・今日うまくいった一動作
・今日違和感を感じた点

これをメモしておくと、今のフェーズが見えてきます(ボイスメモや動画でもOK)。その上で、例えば、 “一個だけ持ち帰る”と決めます。一個だけだとしても、1個/毎週持ち帰れば、4個/1か月になり、12個/3か月になります。そうなれば、間違いなくダンスは変わります。

レッスン全部をやろうせず、要素を一つ厳選。それを仕組み化してやり切る。これが一番早いです。要素は、以下3つの質問をフィルターとして活用すると、持ち帰りやすくなります。

= 厳選フィルター(3つの質問)= 

  • ① それは「今の自分の弱点」に刺さっている?
  • ② それは「3週間、同じテーマで反復できる」内容?
  • ③ それは「踊った直後に“変化が分かる”」要素?

③ 完成度を上げる順番:その① – まず部品(基礎)を磨く → その② – 繋ぎを練習する → その③ – ルーチンを音楽と一緒に踊る

多くの人が逆をやります。

× レッスンでルーチンを”そのまま”覚える   *でも1週間後に忘れている
× 音楽をつける
× なんとなく踊る

実際の順番は以下です。

  • ① 部品 *基礎(ベーシック・アイソレーション・重心・フレーム・コネクション・リズム)
  • ② 部品同士の繋ぎ(技と技の接点・流れの繋ぎ方・リード & フォロー)
  • ③ ルーチン(技の順番と全体構成)with 音楽

例えば通常のオープンクラスは、③ルーチンの全体説明から始まり、大体③を音楽に流して行うまでで終わります。①、②を深堀する時間は、そこまでありません(あっても、絞った内容になることが多い)。これはレッスンの性質上、短時間で決まった内容を完遂する必要があるという、オープンクラスの構造上における制限です。言い換えると、時間の使い方として、③→②→①の順番になっていることが大半です。

ただ、上記の通り、本来はそうではなく、構成要素になっている①部品と②繋ぎに時間をかける必要があります。なぜなら、①・②が無い状態で③のレッスンやWorkshopを数多く受講しても、それだけでは、実践で成立するレベルでの完成度が見込めないからです。

逆に、①と②が基本スキルとして洗練されていれば、③の完成度は飛躍的に向上します。これは例えば、①・②が無い状態でレッスンに参加した場合、20%程度の完成度にしかならない、というケースで、①・②が元々洗練されていることにより、完成度が80%以上になる、というような考え方です。

まとめると、①→②→③の順番を守るだけで、消耗は激減します。


論点:上手い人は「自分で考えて、かつ実践している」

ここが本稿の核心です。20年間の現場を見てお伝えできることは、伸びる人はレッスンを色々と沢山受けている、ではなく、自分に何が足りないかを自ら理解して、情報を選択し、かつ実践しています。

  • 今、自分の弱点は何か?
  • 今、自分はどのフェーズにいるのか?
  • 今、優先すべきは基礎か?繋ぎか?表現か?

これを常に考えながら、レッスンを受けています。だからこそ、

  • 全部を鵜呑みにしない
  • 今の自分に必要な情報だけを拾う
  • 必要のない情報は“今は置いておく”

という情報選択が自然にできています。

別の記事にも書いていますが、「海外有名ダンサーのWorkshopを受けたら一気に伸びる」、そう思って高額のWorkshopに参加する方を多く見かけます。勿論学びは多いと思いますが、数週間後見比べた際、ビデオを見ても、特筆すべき変化は見当たらない・・・この状態も、よくあります。

なぜかというと、Workshopの海外ダンサーが”凄いかどうか”よりも、“内容が自分のフェーズに合っているか”のほうが重要だからです。どんなに凄い情報でも、自分の課題に接続できないと、体は変わりません。

逆に言えば、普通のレッスンでも、今の自分に合った情報を自分自身でピックアップし、深掘りができる人はどんどん伸びます。まとめると、上達する人は「教わっている」というより、「考えて選ぶ」を実践している人です。

レッスンは受動的な場に見えますが、本質的には能動的な取捨選択の場です。この視点を持つだけで、同じレッスンでも吸収密度が大きく変わります。


🎯 まとめ:最初の質問に戻ります

「沢山レッスンを受けているのに、上手くなっている実感がありません。どうすれば伸びますか?」

本稿の整理を基に回答するとすれば、

全部を取りに行かないこと。そして、自分に何が足りないかを考えながら、情報を選ぶこと。と、なります。

  • ✔️ 全ての情報を、取りに行かない
  • ✔️ レッスンでは、自分のフェーズにあった内容を持ち帰る
  • ✔️ 観察する日を作る
  • ✔️メモを習慣化する
  • ✔️ ①部品→②繋ぎ→③全体ルーチンの順番を心がける
  • ✔️ 自ら考えて、選ぶ

上達は量ではなく、密度です。
そして密度は、自分で考え、自分で選ぶことで生まれます。

※レッスンの使い方を深堀したい方は、こちらもご参考下さい。
【Vol.116】なぜレッスンを受けているのに伸びないのか──上達する人がやっている本当の使い方

またフロアで。
SHINJI


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