【Vol.38】止まることの効用──壁を感じた時にやるべきこと|“学ぶ順序”シリーズ③
はじめに|踊りが「止まって見える時期」の正体
サルサでもバチャータでも、ある程度踊れるようになってきた頃に、ふと感じる瞬間があります。
「最近、伸びてない気がする」
「なんだか壁にぶつかってる感じがする」
今回は、そんな「止まって見える時期」についてのお話です。
前回(Vol.37)では、学びの順序として「Input → Output」のバランスについて書きましたが、
このVol.38ではさらに進めて、「止まる=Outputを一時的に止める」ことの意味を扱います。
Step 1:止まっているように見える=“学びの静かな転換点”
ダンスにおける「伸び悩みの時期」は、実は成長の入口であることが多いです。
- 動きが整理され始める
- 情報が溜まりすぎて“身体が追いつかない”時期
- 新しい段階への感性が芽生えてくる
これはいわば、「入力と統合のための一時停止」。
焦って“足す”より、一度“止まる”ことで整理され、静かに統合が起きていきます。
Step 2:止まる=「観察」「反芻」「再編集」の時間
止まる時期は、学びの中間地点(メタ認知)でもあります。
- 自分の踊っている動画を改めて見てみる
- 「なんか変」と思っていた動きのパターンを言語化する
- 今まで習ってきたことの「意味」をつなぎ直してみる
このような内省・観察・再構築の時間は、
表面的には止まって見えても、学びの根っこを深く育てている重要なフェーズです。
Step 3:再スタートは、“学ぶ順序”を変えてみる
もし壁を感じたときは、焦って「もっと新しい技」や「上手い人のマネ」をするのではなく、自分の“学ぶ順序”を静かに再構成してみるのがおすすめです。
たとえば:
- 「動き」→「リズム」→「体の使い方」と順序を逆にする
- 初心者の時にスルーしてた“基礎ステップ”に立ち返る
- 「動作」ではなく「感情」に意識を置いてみる
- それらを動画で確認しつつ、他からもフィードバックを貰う
順序の“ずれ”に気づけたとき、踊りの質が一気に変わることがあります。
まとめ|止まることは、前進の一部である
- 止まったように見える時期は、「見えない成長」が進んでいる
- 止まることでしか得られない“構造の整理”がある
- 順序を組み直すことで、次の飛躍が始まる
焦らず、止まってみる。
それは、静かに踊りを磨く人にとって、必要な“深呼吸”の時間です。
壁にぶつかったと感じたら、まず立ち止まって観察してみてください。
そこには、次のステージへの“静かな入り口”があると思います。
🎥 関連ショート動画
次回予告(Vol.39)
次回は、“学ぶ順序”シリーズのラストとして、
「学びの逆算設計──ゴールから逆に組み立てていく方法」をお届けします。
コメント