【Vol.120/前編】複数のチームに参加するのは悪いこと?──学びの視点から整理する

Bachata

【Vol.120/前編】複数のチームに参加するのは悪いこと?──学びの視点から整理する

こんにちは、SHINJIです。今回ですが、過去質問の多かった、”複数チームに参加するのは悪いこと?”というテーマで深掘りをしていきます。少し長めのテーマになるため、お正月特別編として、2部構成でお届けします。

ご来場者からの質問

先日、イベントのソーシャルタイムで、ご来場者からこんな雑談をいただきました。

「複数の団体のレッスンやチームに参加するのって、悪いことですか?
今所属している先生からは『他のクラス(チーム)に参加するのはあまり良くない』『今のチーム(クラス)に集中した方がいい』と言われていて……」

この質問は、この20年間、とても多かったように感じます。特にチームへ参加する中期フェーズになってから、直面することが増えてくる悩みでもあります。

今回、学び → 人間関係 → 人生の順番を軸に、2部構成で整理していきます。今回は学び編(前編)です。

前提:複数受講がNGな団体・先生は「存在する」

まず事実として、「複数団体のレッスンやチーム参加をNGとしている」ケースは、団体や先生によって、実際にあります。団体運営上の方針・ルールであることが多いのですが、こちらについては、“良い・悪い”ではなく、目的に合わせた「構造上の違い」という理解です。(詳しく後述します)

よって、もし所属している団体が、「複数受講NG」という明確なルールを持っているのであれば、少なくともその前提を理解したうえで、自分の選択を考える必要があります。

結論:”個人の学び”視点では「悪い・良い」では決まらない

その上で、結論ですが、少なくとも、生徒視点における“個人の学び”という観点では、複数参加=即NGではありません。ただし、フェーズと目的によって、向き・不向きがはっきり分かれます。以下に”初期フェーズ”と”中期フェーズ”に分けて、詳しく見ていきたいと思います。

※団体・チーム全体視点の場合、異なる論点もありますので後述します。

①初期フェーズ:学びを広げる段階(探索期)

ダンスを始めたばかり、もしくは基礎を作っている段階では、複数のレッスンや団体への参加が、“理解できる説明”という視点でプラスに働くこともあります。たとえば、こんな時期です。

[初期フェーズの例]

  • 身体の使い方がまだ定まっていない
  • 一つの説明だけだと、まだ頭の中でピンとこない (理解が難しい)
  • 「自分に合う感覚」がまだない

[初期フェーズにおける複数レッスンのメリット]

  • 同じ動きを、別の言葉・別の感覚で理解できる
  • ピンとくる説明、学びの選択眼が育つ
  • 自分に「合う/合わない」内容が見えてくる

[初期フェーズの注意点(学び視点)]

  • 情報量が多すぎると混乱しやすい
  • 基準が定まりにくくなる
  • 成長実感が薄れることもある

この段階では、「広く触れて、合うものを見つける」という目的がはっきりしていれば、複数参加は十分に意味があります。

一方で、自分に合う説明や解釈がまだ定まっていない時期でもあるため、同じ内容でも「深まらず右往左往する」「解釈に齟齬が出る」、「先生ごとに言うことが違う(ように聞こえる)」といった、混乱が発生しやすくなることもあります。

②中期フェーズ:学びを更新する段階(再構築期)

一方で、ある程度踊れるようになり、

  • 動きが分かってきた
  • 基礎は身についた
  • でも、少しまんねりを感じている

こうした中期フェーズでは、以下のような複数参加がプラスに働くケースがあります。

[中期フェーズのメリット]

  • 学びが停滞したときに、外から新しい視点を取り入れられる
  • 同じ動きでも、別の解釈・表現を知ることで幅が広がる
  • 自分のジャンル・スタイルを意識的に拡張できる

なお、この段階の複数参加は、「基準を探す」ためではなく、今ある軸を保ったまま、表現や解釈を広げる、という意味合いが濃くなります。

[中期フェーズの注意点(学び視点)]

  • チーム活動やパフォーマンスと並行すると、基準のズレが生じやすい
  • 軸が弱いまま広げると、方向性を見失いやすい
  • 結果として学びが混乱したり、深まらず全体が浅くなるリスクがある

そのため中期では、

  • 「何を学びに行くのか」を明確にする
  • 常時複数ではなく、期間限定・目的限定で取り入れる

といった使い方が、本来は相性が良いと感じています。 ※個人差はあります。

中間まとめ:初期と中期の違いと”学びの整理”

ざっくり1行ずつでメリットをまとめると、以下の通りです。

  • 初期:広く触れて、合う感覚を見つける
  • 中期:軸を保ったまま、表現と解釈を更新する

同じ「複数参加」でも、フェーズによって意味が異なる。
また、ゴールによって本来選択肢も変わる。

このあたりがポイントです。

論点:なぜ先生は「複数受講は控えてほしい」と言うのか

ここが今回の論点です。先生の「(他団体との)複数チーム所属や受講は控えてほしい」と言う部分ですが、そこは「生徒個人の学び」だけでなく、「全体の経営視点」も入る場合がある、という観点です。具体的には、

  • 全体視点で団体・コミュニティの“経営”をどう運転するか
  • クラスやチームをどう継続させるか
  • 自分の団体におけるカルチャースタイルをどう守るか

と、いうような運営視点も、(言う言わないは別として)複合的に混ざっているケースがあります。この視点については、生徒側からは見えにくいため、生徒と先生の認識ギャップが生まれやすい箇所と感じます。

① 経営視点で考えると、何が起きるか

たとえば、分かりやすい例を一つ挙げます。

ある生徒が、別の団体にも所属しており、意識・無意識含めて、
「こっちの団体もいいですよ」
「最近は別の先生のイベントに行っていて」
「今日はこっちの先生のレッスンへ、一緒に行きませんか?」
と、自分の所属先とは別の団体に誘い続けていた

当たり前の話ですが、生徒本人に悪気はなくても、

  • 団体側から見ると、生徒の流出リスクが高まる
  • 紹介・口コミの流れが外に向く
  • 結果として、経営的には静かなダメージになる

ということが起こります。

② カルチャーが混ざることへのリスク

次に、こちらもよく話に挙がるのがカルチャーの問題です。

  • 身体の使い方、音楽の取り方、スタイル
  • 団体の人間関係やパートナーにおける距離感・文化
  • レッスンやソーシャルでの空気感

これらは、意外と簡単に全体へ波及します。言い換えると、複数団体に所属している生徒が増えるほど、「この団体らしさ」が薄まるリスク自体は高まる可能性があります。例えば、

  • スタイル含めた指導の前提がズレやすくなる
  • チームとして揃えることが難しくなる  *パフォーマンス力低下のリスク
  • 「あっちの先生は違うことを言っていた」と周囲へ言う、納得しない

といった事象も、一般的に発生する可能性があります。

特にカルチャーやスタイルは、団体や先生によって千差万別で、本来決まった正解がない領域です。

例えば、振付を決めてチームパフォーマンスを行うとします。その場合、スタイル含めて、振付上”受け入れて完コピする”ことが基本となります。その上で、評論的に「あの先生の教え方と違うことを言っているよね」というような、「良し悪し評価」が複数受講しているメンバーから増えてしまうと、チーム全体へインパクトも出てきます。よって、経営視点からは、一定のリスクを考慮することもあります。

③ 学びの視点で考えると、何が起きるか

その上で、学びの視点で、先生が「集中」を勧める観点も勿論あります。それは構造を見ての助言であることが多いです。

  • 時間を確保できる *時間を一つに集中投下
  • 視点を一つに揃えることで理解が深まる  *上達が早くなる
  • 修正の一貫性が保てて、チーム全体の精度が上がる  *全体の質向上

先にも記載しましたが、説明の仕方や解釈が異なる情報を浴びると、混乱する人も出てきます。学びが散るパターンも増えてきますので、単純に複数受講が「ダメ」ではなく、「今はこの言い方、学び方が合っている(一つに集中した方が良い)」という視点での助言であることも多いです。

まとめ:生徒とのGAPになりやすいところ

まとめますと、生徒側の視点は、どうしても

  • 自分の上達 / 今の学びやすさ / 刺激や楽しさ   *個人視点

に向きやすいです。一方で団体側は、

  • 団体の存続 / 全体の一体感 / カルチャーの維持   *経営視点

も同時に背負っています。どちらが正しい、という話ではなく、「見ている”視点”が異なるときがある」(そのズレが、複数受講を巡る違和感として現れやすい)という構造の話だと捉えると、多くのやり取りが理解しやすくなります。

補足:学び視点では、”合うもの”を”合うタイミング”で

ここまで、初期フェーズ・中期フェーズそれぞれにおける、複数参加のメリットと注意点を整理してきました。そのうえで、あらためてお伝えしたいのは、

「自分はいま、どのフェーズにいるのか」
「合う内容なのか」
「タイミングとして適切なのか」

それを自覚しているかどうかが、最終的な選択の質を大きく左右するという点です。改めて、構造自体に良し悪しはありません。色々受講することも勉強になることもありますし、デメリットが発生する場合もあります。

よって、最終的には、自分自身が”合っている”と納得して、選んでいるかどうかが、あとから「もやもやしない」ための鍵になります。以下のような小さな習慣を持っておくだけで、自分の立ち位置はかなり見えやすくなります。

小さな習慣 (例)

① 自分のダンスを定期的に動画で撮っておく
② 定期的に「外の場」で踊ってみる
③ 踊った後の感覚を、短く言語化する
④ 何が踊りたいかを、定期的に自問自答してみる

こうした小さな確認を積み重ねていくと、自分はいま、探索期(初期)なのか/再構築期(中期)なのか、1つに集中すべきか/複数チームを受講した方が良いのか、が、少しずつクリアになってきます。

同じ行動でも、自覚して選んでいる人と、流れで選んでいる人では、あとに残る感覚がまったく違います。20年以上現場を見て感じますが、フェーズを理解したうえでの選択は、たとえ周囲と違っても、後悔や迷いが少ない人が多いと感じます。この感覚は、次回お話しする「人間関係&人生編」にも、そのままつながっていきます。

まとめ:複数の団体に参加するのは、結局どう考えればいい?

最初のご質問に戻ります。

「複数の団体のレッスンやチームに参加するのって、悪いことですか?」

学びの視点から整理すると、答えはとてもシンプルです。

  • 悪い・良いで決まるものではない
  • 自分が今どのフェーズにいるかで意味が変わる
  • 目的を自覚して選んでいるかが、結果を左右する

初期フェーズでは、広く触れることで学びが進むこともあります。中期フェーズでは、まんねりを打破するために、外から新しい視点や解釈を取り入れることが、スタイルを更新する助けになることもあります。

一方で、基準を揃える必要がある環境やチームでは、ルールがあることもあります。だからこそ大切なのは、周囲の意見も大切ですが、「今の自分は何を求めているのか」を理解したうえで、自分自身で選択した結果であるかどうかが重要です。

この続きとして、次回は「人間関係&人生編」として、複数団体の参加による構造上の違いを、整理しながら説明していきます。

またフロアで。
SHINJI

※ 後編:人間関係 & 人生編 (Vol.121)  


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