【Vol.118】ダンスの場で人望が集まる人の共通点

Bachata

【Vol.118】ダンスの場で人望が集まる人の共通点

こんにちは、SHINJIです。
先日イベントのソーシャルタイムで、ご来場者の方から、こんな雑談をいただきました。

「ソーシャルで、それほど上手いって感じでもないし、見た目もそこまでじゃないけど、人気がある人っていますよね。ダンスの団体でも、自然に人望が集まる人っていますけど、あれって結局、何が違うと思いますか?」

この感覚、すごく分かります。
ダンスの場って、技術レベル以上に、“安心感”の差が人間関係に直結しやすい世界です。今日はこのテーマを、現場目線でシンプルにまとめます。

はじめに:「人気者」と「人望が集まる人」の違い

ここで一つ、言葉の定義を入れます。ダンスの場には、「人気者」「人望が集まる人」がいます。似ているようで、定義が異なると感じています。会話上では一緒にしがちですが、

人気者=「目を引く(分かりやすく好かれやすい)」
人望が集まる人=「信頼される(安心して関われる)」

まず人気者は、分かりやすく“表に見える要素”で成立しやすいです。

  • ビジュアルが良い / 華がある/ダンスが上手い / パフォーマンスが強い
  • トークが上手い / 場を回せる/ノリが良い / いつも明るい/相手の話が聞ける

もちろん、これ自体は素晴らしいことです。ただ、これはどちらかというと「惹きつける力」に近いと感じます。一方で人望は、もっと“内側の感覚”と結びつく感覚です。相手がその人と関わったときに、どう感じるか。例えば、

  • この人の前だと、無理をしなくていい
  • 気を張らずにいられる(=心理的安全性
  • 信頼できる、安心する

つまり、人気は「外側」から集まりやすく、人望は「内側」で育っていくもの、という考え方です。今回いただいた雑談は、まさにこの人望の方と捉えており、そして今日の主題として取り上げたいと思います。

結論:「相手の自尊心」を守れる人に、人望が集まる

結論を先に持ってくると、以下が一番しっくりきます。

ダンスの場で人望が集まる人相手の自尊心を守れる人

ここでいう自尊心は、難しい言葉ではなくて、相手から見ると、たとえばこんな感覚です。

  • 相手:「今の自分のダンス(スタイル)を尊重してもらえた
  • 相手:「下手でも、否定されなかった
  • 相手:「安心して、一曲を終えられた」

ペアダンスは、身体感覚・距離感・空気感が近い分、
人の自尊心が満たされる / 削られるのが、ものすごく早いです。
だからこそ、ここが人望の分岐点になります。

具体例:ダンス界に必ずいる「教え魔」──人が離れていく構造

ここで、ダンスの世界でよく見る現象で、とても分かりやすい例を一つ。どのジャンルにも、かなりの確率で現れます。

教え魔:頼んでいないのに、ソーシャル中に突然アドバイスが始まる人

私自身、何度も色々な方から、教え魔対策について相談を受けました。
教え魔は、「優しさ」「親切」の顔をしていることも多いのですが、
現場で見ていると、正体はだいたいこのどれかです。

  • 承認欲求(教える側に立ちたい)
  • 優位性の確認(マウンティング)
  • 自分の不安の埋め合わせ(正しさで安心したい)

そして教え魔が起こす最大の問題は、
相手の自尊心を“無意識に削ってしまう”ことです。

  • 相手:「楽しく踊っていたのに、急に評価された
  • 相手:「自分のスタイルを否定された
  • 相手:「この人と踊ると疲れる

結果として、どうなるか。「その人の周り」から、静かに人が離れていきます
(本人はなぜ人が減っていくか分からないことも多いです)

上記は、逆に信頼を削る分かりやすい例ですが、こちらを前提に、自然に人望が集まる、信頼が増えていく行動について、次のセクションで触れていきたいと思います。

※もちろん例外はあります。
安全性の指摘(怪我リスク、危険なリード、衝突回避など)は必要です。
これは「上手い下手の指導」ではなく、安全を守るための最小限の共有として別枠です。

すぐに実践できる:相手の自尊心を守る「3つのアクション」

ここからが今日いちばんの実用パートです。信頼は、派手なことをしなくても作れます。すぐに実践できるコツとして、“相手を否定しない存在となり、自尊心を守る言葉を一言伝える”が、自然にリスペクトを表現できる行動です。

以下の3つは、誰でも今日からすぐに実践できます。

①「教えない」をデフォルトにする

ソーシャルでまず強いのは、「正しいことを言う」よりも、安心を壊さないことです。

  • ×「そこ違うよ」「もっとこうした方がいい」
  • ○(まずは言わない)

“教える”前に、相手の自尊心(=今の気持ち)を守る
これができる人は、一気に信頼されます。

※相手から、能動的に個別フィードバックを求められた場合は別です。
※上記は、相手から頼まれていないにも関わらず、”教える”ケースを指します。

② 曲の中で「安心と尊重」を渡す

ダンスの場では、一曲の中の振る舞いの方が、言葉より強く伝わります。
ポイントはとてもシンプルで、

  1. 笑顔で過ごす (= 相手に安心感)
  2. 相手を「見ながら」踊る (=相手をリスペクト)
  3. 無理をさせない (=相手の自己肯定感を傷つけるようなダンスは避ける)

具体的には、こんな意識です。

  • 曲中、無表情にならず、軽く微笑んだ表情をキープする
  • 派手な技より、相手の表情・バランス・呼吸を見る
  • 相手が迷ったら、一度待つ・相手のリード&フォローに合わせる

これだけで相手は、こう感じやすくなります。

「この人と踊ると安心する」(=安心感)
「自分を意識して貰っている(=リスペクト)」
「置いていかれなかった(=信頼)」

ここがとても大事で、安心して一曲を終えられた体験は、どんな上手な技よりも強く残ります。結果として、会話が少なくても自然に「また踊りたい」が起きます。

言い換えると、ダンスの場では、“何を話したか”より、“曲の中でどう扱われたか”が、圧倒的に記憶に残ります。

③ 一曲終わったら「安心ワード」を1つ置く

一曲の終わりに、何を残せるか。ここで人望は積み上がります。
おすすめは、技術評価ではなく、シンプルに一言、体験への感謝

  • 「楽しかったです、ありがとう!」
  • 「今日は一緒に踊れて良かったです!またお願いします」
  • 「すごく気持ちよく踊れました😃」

上記アクションを、ポジティブな態度で出していきます。
(例えば、仕事のストレスで不機嫌だと、空気だけでネガティブが伝わってしまうこともあるので、明るい雰囲気と笑顔を意識しながら行動します。)

これだけで相手は、「否定されなかった」「このままで良かった」と感じやすくなります。結果的に、心理的安全性やダンスパートナーとしての信頼も、醸成されやすくなります。

大切な補足:無理に「人気者」や「人望」を集めなくても大丈夫

そして、とても大切な補足なのですが、少なくとも私自身の考えとしては、ダンス場に来られる方は、別に人気者になる必要も、人望を集める人になる必要もない、と、思っています。

ダンスの場においては、「普通である」こと、それだけで十分です。マイナスでなければ、それでOK。それだけで、ダンスの場は十分に楽しめます。そもそも派手でなくても、目立たなくても、誰かに強く評価されなくても、普通にダンスを楽しんでいる人は、自然と「プラスの存在」になります。

  • 無理に盛り上げない (ただ、ダンスを楽しんでいる)
  • 無理に好かれようとしない (でも、相手も尊重して踊っている)
  • 無理に居場所を作ろうとしない (そして、一期一会を楽しんでいる)

これだけで、ダンスの場においては十分です。

もし、意図的に人気者になりたい人望を集める立場に回りたい、そういう目的がある場合は、また別の話です。(イベント主催・インストラクター・コミュニティ運営・その他人間関係構築自体がメイン目的の場合ですね)

ただ、目的や価値観にもよりますが、多くの方にとって、ダンスは本来、主役は「人間関係」というより「ダンスそのもの」であっても良いとは感じます。

周囲の評価や、人間関係の駆け引きをダンスの場に持ち込まない。20年間の現場経験を通して心から感じますが、その方が、ノイズが少なく、結果としてダンスも人間関係も楽になります。(= そうすれば、人間関係は自然に回っていきます)

評価を気にせず、比べず、「今日は一曲、気持ちよく踊れたか」そこにだけ集中する。それだけで、ダンスの時間はちゃんと豊かになります。

まとめ:人望が集まる人の共通点

最初のご質問に戻ります。

「自然に人望が集まる人って、何が違うんですか?」

答えはシンプルで、

  • 相手の自尊心(=素のままのダンス、スタイル)を守れる
  • 無害で小さくリスペクトし、安心の一曲を積む
  • 結果として「また踊りたい」が自然に増える

その上で、周囲の評価や、人間関係の駆け引きを持ち込むより、ダンスそのものを楽しむ方が、結果としてダンスの時間が豊かになる。結果として、その積み重ねが、あとから“人望”になって返ってきます。

またフロアで。
SHINJI

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