【Vol.35】自己表現の育て方 Only 1|シリーズ③
── 自分を“響かせる”技術──「自己一致」と“離”の美学
誰かに合わせるだけでは物足りない。技術を学んで、真似して、吸収して、── その先に「自分だけのダンス」が立ち上がる。
今回のテーマは、表現の最終章「自己一致」。学んだすべてを統合し、自分の価値観・生き方・気質と響き合った“Only 1”のスタイルを育てることです。
🔸「守破離」の“離”──すべてを壊すのではなく、統合して離れる
多くの人が「守(まもる)」「破(やぶる)」までは経験します。
基本を覚え、型をなぞり、少しずつアレンジを加える…。でも、“離”は一段、深い世界です。
そこには、学んだものを「壊す」のではなく、「昇華させる」という発想が求められます。
たとえば──
✔ ベーシックを崩さずに、自分なりのリズムを宿す
✔ シャインの流れを、自分のエネルギーで「語る」ように踊る
✔ 誰かのスタイルを模倣するのではなく、自分の呼吸で再構築する
これらすべては、「自分が誰で、どんな響きを持っているか」に気づいている人だからこそ、成立する表現です。
🔸「自己一致」はテクニックではなく、”その人”そのもの
自己一致とは、自分の内面と行動が一致している状態。
ダンスにおいてもこれは同じで、“好き”“心地よい”と感じる感覚に正直であることが重要です。
「誰かのように見せたい」ではなく、
「自分が自分でいられるスタイル」を選ぶこと。
それは、マウントしてくる誰かの言葉に流されず、
淡々と自分の今を表現できる強さでもあります。
それが自分の“自己一致”と、“今この瞬間に自分を感じる”ことに繋がります。
具体的に落とし込むならば、
“ダンスを通じた自己表現で自分が幸せになる瞬間”
“共感して下さる他者と世界を醸成できる瞬間”
への道筋となります。
🔸その”スタイル”のままで、唯一無二の存在
すべてを真似しなくてもいい。全部うまくできなくてもいい。
私達が“感じていること”が、すでに表現の核です。
そしてそれは、他の誰とも比べる必要のない「Only 1のスタイル」へと変わっていきます。
💡【結論】表現の最後は「誇り」──離れてこそ、自分に還る
誰かに近づくことから始まってもいい。
でも最終的に大切なのは、“自分が心から誇れるスタイル”で踊っているかどうか。
「守破離」の“離”とは、孤立ではなく、自分の世界を信じる力のこと。
その静かな自信が、私達の踊りを“響かせる”鍵になります。
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