【Vol.137】ペアダンス場で疲れずに人とつながる方法──自分のキャパに合った“小さな一歩”

Bachata

【Vol.137】ペアダンス場で疲れずに人とつながる方法──自分のキャパに合った“小さな一歩”

こんにちは、SHINJIです。
前回の記事で、ペアダンス場で自然に人とつながりたいのであれば、まず「小さく与える」ことが第一歩だと書きました。

前回記事:
【Vol.136】ダンス場で仲良くなりたい人と自然につながる方法

  • 笑顔を見せる。
  • 挨拶をする。
  • 一言話しかける。
  • 踊った後に、感じよくお礼を言う。
  • 相手を尊重する態度を取る。

こうした小さな行動が、人との接点をつくる入口になる、という話です。

本稿Vol.137で、追加で深堀したい箇所は、「“小さく”は、人によって異なる」、という点です。(言い換えると、同じ行動だとしても、人によって大きさが違う、ということです。)

たとえば、ある人にとっては、初対面の人に話しかけることは、そこまで苦ではないけれど、コミュニケーションが苦手である人にとっては、目を合わせて挨拶するだけでも、かなり勇気がいる、ということです。

また、同じ「挨拶」でも、相手によって疲れ方が違うこともあります。安心できる相手への挨拶と、少し圧を感じる相手への挨拶では、自分の中の消費量がまったく違います。

今日はこの「自分のキャパに合った小さな一歩」について、ペアダンス場で疲れずに人とつながる方法を、深堀して、いつもの通り構造で整理してみたいと思います。


結論:疲れずに人とつながるには、「自分にとっての小さな一歩」を理解する

まず結論です。ペアダンス場で疲れずに人とつながるために大切なのは、他人基準の社交性を目指すことではなく、「自分のキャパ」に合った“小さな一歩”を知ることです。

人によって、対人関係に使えるエネルギー量は違います。誰とでも自然に話せる人もいますし、挨拶ならできるけれど、雑談は少し疲れる人もいます。踊ることはできるけれど、会話は苦手な人もいます。その場に行くだけで、かなりエネルギーを使う人もいます。

だから、「小さく与える」とは、全員が同じことをするという意味ではありません。

  • ある人にとっては、その場に行くこと自体が、すでに大きな一歩
  • ある人にとっては、会釈までが小さな一歩
  • ある人にとっては、挨拶までが一歩
  • ある人にとっては、話し掛けて雑談までが一歩としてできる

どれが正解というのはありません。
大切なのは、自分が壊れない範囲で、少しだけ外に開くこと。
そして、その一歩を積み重ねていくことです。


整理①:「小さな一歩」の大きさは、人によって違う

人にはそれぞれ、対人関係に使えるエネルギー量があります。
ここでは、それを仮に人間関係のキャパシティと呼んでみます。

ペアダンス場では、明るく話しかける人が目立ちます。

「久しぶり!」
「今日も来てたんですね!」
「一緒に踊りましょう!」

こうした言葉を自然に出せる人を見ると、自分も同じようにしなければいけない気がすることがあります。でも、実際にはそうではありません。実際に観察すると、ペアダンスの場には色々な人がいます。

  • 自分から話しかけるのが得意な人
  • 踊ることはできるけれど、会話は苦手な人
  • 親しい人とは話せるけれど、初対面には緊張する人
  • その場に行くだけで、すでにかなり頑張っている人
  • 基本的にしゃべらない人、座っているだけの人

こういった場なので、「小さく与える」の第一歩は、必ずしも「話しかけること」でなく、閉じないだけでまず前進です(= 開いているだけでプラス側になります)。

たとえば、会釈しない人だって沢山います。言い換えると、目が合った時に軽く会釈するだけでも、十分に「小さな一歩」です。そして、外から見たら小さい行動でも、自分にとって意味のある一歩を積み重ねられれば、それだけで十分な前進です。


整理②:同じ行動でも、相手によって消費量が違う

もう一つ大事なのは、同じ行動でも、相手によって自分の消費量が違うというパターンです。たとえば、同じ「挨拶」でも、

  • 安心できる人への挨拶
  • まだ関係が浅い人への挨拶
  • 距離感が近すぎる人への挨拶
  • 少し圧を感じる人への挨拶
  • 苦手意識がある人への挨拶

では、自分の中の疲れ方が違います。これは、とても自然なことです。相手が悪い、自分が弱い、という単純な話ではなく、人との関係には、相性、距離感、過去の印象、その日の自分の状態など、いろいろな要素が絡みます。だから、同じ「小さく与える」でも、

  • ある相手には軽くできる
  • 別の相手には少し重い
  • また別の相手には、今日は無理かもしれない

そういうものだと思います。大切なのは、自分がどの相手に、どれくらい消費しているかに気づくことです。

誰にでも同じように感じよくしようとすると、疲れてしまいます。
でも、自分の消費量が分かってくると、距離感を設計しやすくなります。

そして、Vol.136でも記載しましたが、小さく与えた後は、相手の返し方を見ても良いと思います。

  • 感じよく返してくれる人
  • こちらの距離感を尊重してくれる人
  • 少し開いた途端に、必要以上に詰めてくる人
  • こちらの疲れや温度感を見ていない人

この違いを見ることで、「この人とはもう少し近づいても大丈夫そうだな」「この人とは礼儀は保ちつつ、距離を置いた方が良さそうだな」という判断がしやすくなります。

つまり、小さく与えることは、相手に合わせ続けることではなく、相手との距離感を見極めるための小さな接点でもあるのだと思います。


整理③:大人が「小さな一歩」を踏み出すのは、実は簡単ではない

ここで少し、心理学的な視点も入れてみます。私がMBAを取得した際に、専攻した心理学の中で、ロバート・キーガンとリサ・レイヒーの『なぜ大人は変われないのか』という本には、Immunity to Changeという考え方があります。(興味がある方は読んでみて下さいね)

簡単に言うと、人は「変わりたい」と思っていても、心の奥では、元々その変化を止めていた”逆の力”が働いている、という考え方です。例えば、表面的には、

  • もっと自然に人とつながりたい
  • 感じよく話しかけられるようになりたい
  • 自分から少し開ける人になりたい

と思っている。でも、なぜそれが今できていないかというと、心の奥では、

  • 近づきすぎられたら困る(近づいて嫌なことが過去あった)
  • 変な人だと思われたくない(変な人だと思われたことがあった)
  • 無視されたら傷つく(傷ついたことがあった)
  • 一度開いたら、距離を詰められるかもしれない(嫌な経験が昔あった)
  • 疲れるくらいなら、最初から開かない方が安全

というブレーキが、元々あるから現状があるということです。これは、怠けているわけでも、性格が悪いわけでもありません。むしろ、自分を守るために、心が一生懸命働いている正常なプロセスです。

だから、大人の人間関係は、実はそんなに単純ではなく、たとえば外から見れば、ただ挨拶するだけでも、でも本人の内側では、過去の経験、不安、警戒心、プライド、傷つきたくなさなど、いろいろなものが動いている。

「小さく与える」も一緒で、仮に大人が「与えたい」と思っても、過去の経験上、心の奥ではその逆の気持ちも一緒に抱えているから相反して難しい( = 一般的な構造)、ということがあります。


解決策(アクション):疲れずに“小さな一歩”を育てる5つの方法

では、ここからは、具体的にどうすれば、疲れずに人とつながる力を育てられるのかを整理してみます。

① (他人基準ではなく)自分基準の「最小単位」を決める

まず、自分にとっての最小単位を決めます。

例えば、

  • 会釈だけ
  • 挨拶だけ
  • お礼だけ
  • 1人だけに話しかける
  • 安心できる人にだけ一言添える

これで十分です。大事なのは、「これなら今日でもできそう」と思えるサイズにすることです。他人から見て小さいかどうかではありません。自分にとって無理がないかどうかです。

ダンスでも、いきなり大きく踊ろうとすると力みますが、まず小さく正確に動けると、少しずつ大きく動けるようになります。人間関係も同じで、いきなり大きく開こうとせず、まずは、自分の中で崩れない最小単位から始めれば大丈夫です。それが積み重なれば、いつの間にか前進しています。

② 低消費の相手から始める

いきなり苦手な人や、距離感が難しい人で練習しなくて大丈夫です。まずは、

  • 感じよく返してくれる人
  • 距離感が安定している人
  • 圧が強くない人
  • 無理に踏み込んでこない人
  • 踊った後に自然に終われる人

からで十分です。「小さく与える」にも、ダンスと一緒で基礎練習があります。最初から難しい相手で頑張る必要はありません。安心できる相手との小さな接点を積み重ねることで、少しずつキャパは育っていきます。

ダンス的に言えば、いきなり難しい技をやるよりも、まずはできるテンポ、できる範囲、できる相手から整えていく。無理なくできる環境で、少しずつ自分の可動域(キャパ)を広げていくことが大切です。

③ 自分のブレーキを責めずに観察する

「話しかけたいのに、できなかった」
「挨拶はしたかった(できなかった)」
「また受け身になってしまった」

そう思う日もあると思いますが、その時に自分を責めるのではなく、「私は何を怖がっていたんだろう?」「どのくらいなら、次はできそうだろう?」と、観察してみます。この問いに変えるだけで、自分をもっと知ることができて、自分自身への扱いも優しく変われます。

できなかった自分を責めるのではなく、変わらないことで守っていたものを理解する。そこから、少しずつ動き始めればいいのだと思います。

④ “改善”ではなく、“小さな実験”扱いにする

キャパを広げたい時は、「改善」ではなく「実験」扱いにすると楽になります。
例えば、

  • 今日は、受付で一言だけ挨拶実験してみる
  • 今日は、踊った後に少し笑顔を実験で残してみる
  • 今日は、安心できる人にだけ実験で話しかけてみる
  • 今日は、無理せず帰ってもいいことにする実験を試してみる

このくらいの認識でいいです。

実験なので、うまくいかなくても失敗ではありません。実験結果のデータが取れれば、それで十分です。「小さく与える」は、文字通り与えるものです。言い換えると、完璧にやらなければいけないものではなく、少しずつ調整していくものです。その方が気も楽になります。

⑤ 回復までをセットにする

「小さく与える」のキャパは、使えば広がる部分もあります。でも、使いっぱなしだと疲れてしまいます。だから、回復までをセットにした方がいいです。

例えば、

  • イベント後は一人の時間を取る
  • 帰り道に音楽を聴く
  • 次の日は予定を入れすぎない
  • 話しかける人数を最初から少なくする
  • 疲れたら途中で帰ってもいいことにする

こういう設計です。無理して広げるキャパは、長続きしません。回復しながら広げるキャパは、少しずつ本物になります。

「小さく与える」ことで、人とつながる力は、自分を犠牲にして増やすものではなく、自分を守りながら育てていくものです。


論点①:小さな一歩を踏み出せないのは、やる気がないからではなく、“守っているもの”があるから

ここが今回の一つ目の論点です。
人や自分が変われない時、つい私たちは、「やる気がない」、「もっと行動すればいい」と見てしまいがちですが、キーガンの考え方を借りると、もう少し優しい見方ができます。

人が変われない時、その人の中には、変化を邪魔している弱さではなく、変わらないことで守っている何かがある可能性があるということです。

例えば、ダンス場で人に話しかけない人は、単に消極的なのではなく、過去の嫌な経験を繰り返さないように、距離を取っているのかもしれません。

なので、もし変わらない(変われない)いう事象があるとしたら、人を責める前に、(その人は)何を守ろうとしているのかを見てあげる必要があります。これは他人でも自分の話でも、非常に大切なポイントです。

特に自分の話である場合、自分のブレーキを敵にすると、もっと苦しくなります。でも、自分のブレーキを「自分を守ってくれていたもの」と見られると、少し優しく扱えるようになります。そのブレーキを理解した上で、ほんの少しだけ動いてみる。これが、大人にとっての現実的な成熟なのだと思います。


論点②:キャパを広げるとは、無理やり社交的になることではない

では、どうすれば自分のキャパを少しずつ広げられるのか、という部分です。ここで大切なのは、いきなり自分を新しい方向へ180度変えることを、絶対的な正として捉えないことです。たとえば無理に社交的になろうとして、

「(いきなり)明日から誰にでも話しかける」
「(突然)イベントで必ず5人に声をかける」
「(今日からすぐに)苦手な人にも明るく接する」

こういう目標は、一見前向きですが、負荷が強すぎることがあります。

大事なのは、もっと小さく、もっと安全に試すことです。キャパを広げるとは、自分を追い込むことではなく、安全な小さな実験を重ねて、「意外と大丈夫だった」という経験を増やすことです。つまり、無理やり社交的な人になる必要はありません。

自分のまま、少しだけ使える範囲を広げて育てていく。それで十分です。

今なら私も自信を持って記載できますが、ダンスでも人生でも、成長とは、別人になることではないと思います。それぞれの要素で、目標にする人がいても良いですが、自分を否定して変えるのではなく、自分の特性を理解した上で、範囲を少しずつ広げていく。これが、大人として成長することなのだと思います。


論点③:小さいキャパのままでも、大丈夫

最後に、ここは必ず書いておきたいです。キャパは、広げられる部分もありますが、無理に大きくしなくていい部分もあります。人にはそれぞれに、人生の経験として形成した、もともとの気質があります。これは過ごしてきた環境も一人一人違いますし、正解はありません。

結果として、大勢と関わることで元気になる人もいれば、少人数と静かに関わる方が自然な人もいます。雑談が得意な人もいれば、踊ることで十分に気持ちを伝えられる人もいます。広く浅くつながる人もいれば、狭く深くつながる人もいます。

どちらが上でも下でもないと思います。

だから、「小さな一歩」を育てることは大切ですが、大きく与えられる人にならなければいけないわけではありません。特性の違いがあるだけです。小さいなら、小さいなりの美しさがあります。静かな人には、静かな人の安心感があり、そういう魅力も、確かにあります。

大事なのは、自分を別人に変えることではなく、自分のまま、少しだけ使える範囲を積み重ねていくことです。その結果、いつの間にか、その人なりの形で、自然に小さく与える存在になっているはずです。


🎯 まとめ:疲れずに人とつながるには、自分に合った“小さな一歩”でいい

前回の記事で、「小さく与える」ことが、人と自然につながる入口になると書きました。でも今回、もう一つ付け加えるなら、こうです。

その“小ささ”は、自分で決められる。

ある人にとっては、雑談が小さな一歩。
ある人にとっては、挨拶が小さな一歩。
ある人にとっては、会釈が小さな一歩。
ある人にとっては、その場に行くだけでも、十分に大きな一歩。

大人になると、人は簡単には変われません。
それは、弱いからではなく、心の中に自分を守る仕組みがあるからです。

その自分のブレーキを少し理解して、今日できる小さな実験を一つだけしてみる。そのくらいで十分です。

ダンス場でも人生でも、人とのつながりは、分かりやすい社交性だけでできているわけではありません。小さな安心、小さな尊重、小さな一歩の積み重ねで、少しずつ育っていきます。そのバランスの中に、疲れずに、自分らしく人とつながる道があるのだと思います。

またフロアで。
SHINJI

※深堀したい方はこちらもご参考ください。
【Vol.136】ダンス場で仲良くなりたい人と自然につながる方法
【Vol.118】ダンスの場で人望が集まる人の共通点


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