【Vol.140】前線から少し離れて、自分の席で回復する──踊り続けるための整え方
こんにちは、SHINJIです。
先日のイベントのソーシャルタイムで、こんなご相談をいただきました。
「すごくダンスを頑張っています。レッスンは何年も出ているし、練習もしているし、チームパフォーマンスやステージも、全部頑張っています。でも、思った通りに上達しないこと、仕事や生活も忙しい中、チーム内の競争や評価、人間関係含めて、色々疲れてしまいました。
辞めるのは、何だか負けたみたいで、嫌なんです。でも、この環境で続けるのは正直きついです。こういう時、どうしたら良いのでしょうか?」
ダンスが嫌いになったわけではない。踊ること自体は、まだ好き。でも、競争、評価、上達、人間関係、チーム内の立ち位置、周囲との比較、時間のなさ。
そういう「ダンスの周辺にあるもの」含めた環境で、心が疲労してしまうことがあります。今日はこの質問を起点に、いつもの通り、踊り続けるための回復力について、構造で整理してみます。
結論:一旦離れて、自分に合った席で整える(回復する)
まず結論です。好きなものを長く好きでいるためには、最前線から一旦離れて、自分に合った場所で整えること(回復)が大切な時期があります。
ダンスを長く続けていくと、フェーズは少しずつ変わります。
最初は、上手くなりたい。
ソーシャルダンスの中で綺麗に踊りたい。
周りに追いつきたい。周囲やチームから評価されたい。
コンペで勝ちたい。
そういう時期があっても良いと思います。理想のゴール、周囲から認められたい欲求、競争、他人軸の評価といった要因が、自分を成長させてくれることもあります。
ただ、ダンス人生はそれだけではありません。年齢や経験を重ねる中で、周囲の環境も、自分の環境も変わっていきます。時には、以前と同じ熱量や立ち位置では、少し苦しく感じることがあります。
その時に大切なのは、もっと頑張ることだけではなく、今の自分に合った環境や楽しみ方を見直すことだと思います。
続けることや、勝つことだけが豊かさではありません。一旦離れて、今の自分が自然に呼吸できる席に戻り、無理なく気持ちの良い環境で踊れること。それもまた、とても豊かなダンス人生だと思います。ひいては、長く踊り続けるための整え方(回復力)へ繋がっていきます。
整理①: 嫌に感じる自分を、素直に認める(関わり方の再定義)
もっと上手くなりたい、負けたくない、先生や仲間に認められたい、といった気持ちはとても自然なものです。ただ、そういった感情を全てダンスに背負わせてしまうと、ダンスは自由な表現ではなく、自分を追い込む場所になってしまいます。
言い換えると、まず大事なのは、嫌なものは嫌と認めることです。たとえば、
- 上達を比較されるのがつらい
- チーム内の競争がしんどい
- 人間関係の空気を読むのに疲れる
- いつも明るく振る舞うのがきつい
- 本当は少し距離を取りたい
こう感じることは、悪いことではありません。それは、自分の心が出している大切なサインです。もちろん、嫌だからといって場を壊す必要もありません。ただ、自分の中で静かに認める。嫌なものを嫌と受け入れることは、逃げではありません。
自分を壊さないための、大人の技術です。
整理②: プライドは少し脇に置く──”すごい人”でいようとしない
素直に認める上で、意外と自分を苦しめるものがあります。それは、プライドです。もちろん、プライド自体が悪いわけではありません。プライドがあるから、頑張れる時もあります。
ただ、そのプライドが強くなりすぎると、苦しくなります。
- 下手に見られたくない
- 前より落ちたと思われたくない
- チームの中で存在感を失いたくない
- 辞めて、負けたと思われたくない
- ちゃんと頑張っている人でいたい
そう思うほど、ダンスが「楽しむもの」ではなく、自分の価値を証明する場所になってしまいます。
ですが、そもそも何事もずっと勝ち続けることはありえません。永遠に大活躍、ということもありません。
なので、一度、プライドに振り回される自分から、自由になる。その上でもう一度、自分に合った踊り方や楽しみ方を見つけ直せば良いのだと思います。
解決策(アクション):前線から離れて、自分に合う軸へ戻る4つの方法
① 「勝ち(努力し続ける)/負け(止める)」の二択にしない
疲れている時ほど、頭の中が極端になりがちです。Yes/Noの、白黒で判断したくなる気持ちも出ますが、でも本当はその間にたくさんの選択肢があります。
- 少し休む
- 練習量を減らす
- チーム活動だけ少し距離を取る
- ソーシャルだけ楽しむ
- 基礎練だけに戻る
- 安心できる人とだけ踊る
「今まで通り続ける」ではなく、「自分に合う形へ変えて続ける(グレー)」。
これが大切です。
② 苦手なものを、無理に主戦場にしない
ダンスの世界にも、得意・不得意があります。
- ソーシャルの空気に自然に入れる人
- 人間関係を広げるのが得意な人
- 競争が得意な人
- 発表で燃える人
- チーム活動が好きな人
もちろん、そういった得意分野のある人たちは素晴らしいですが、自分が同じようにできないからといって、負けではありません。やり方は分かるが、好きではなく、やるほど消耗する。そういう領域を、無理に自分の主戦場にしなくても良いと思います。
言い換えると、できないから負け、ではなく、苦手な場所よりも、自分が自然に価値を出せる場所を探す。とても大切な成熟だと思います。
③ “承認依存型”のプライドから、”自己一致型”の生き方へシフト
ここはとても大切です。先ほど記載した、プライドを捨てるとは、誇りを失うことではありません。むしろ、自分を苦しめるためのプライドを手放すことだと思います。
- 周りから強く見られること
- 上手い人だと思われること
- 好かれる、評価される自分でいること
これらを守るために、自分を削り続けると消耗し続けます。その代わりに残したいのは、こういう感覚です。
大きく見えることより、自分に合うこと。
認められることより、自分が自然でいられること。
前線に立つことより、自分らしく踊り続けられること。
これは、プライドを失うことではなく、”承認依存型”のプライドから、”自己一致型”の生き方へシフトすることです。「私は何者に見えるか」より、「私はどう踊ると自然か」。この軸に戻ることで、ダンスとの関わり方はかなり楽になります。
④ 自分に合う小さな席と、回復できる場所を見つける
最後に大切なのは、前線から離れた後に、どこへ戻るかです。ただ離れるだけでは、空白になることもあります。勿論余白も大切ですが、その上で、自分が回復できる場所を一緒に整えることで循環します。たとえば、
- 一人で音楽を聴く時間
- 鏡の前で、自分のためだけに踊る時間
- 安心できる人とだけ練習する時間
- 比較されない基礎練の時間
- 踊った後に、心が軽くなるソーシャルイベント
自分に合った場所で、自分らしく輝ける場所が見つかると、ダンスはもう一度、回復の場所になっていきます。
論点:プライドを捨てるとは、自分に合う価値基準を、”定期的”に点検して”自分自身”へ戻ること
ここが今回の論点です。私自身も、以前はどこかで、前線から離れることや、何かを諦めることは負けのように感じていました。
高いゴールを設定する。もっと頑張る。存在感を出して認められる。そうやって走り続けることが、成長であり、広がりであり、人生を良くする方法であると、強く思っていた時があります。
もちろん、そういう時期があっても良いと思いますが、長く続けていくと、環境やフェーズも変わります。年齢や経験を重ねる中、必要なのは、もっと無理をして自分を削ることではなく、自分に合う価値基準を”定期的”に見直し、その度に”自分自身”へ軸を戻すことなのだと思います。
肩書き、評価、順位、周囲からどう見えるか等、これらは、外から見れば分かりやすい基準です。でも、外の承認はとても不安定です。正直ぶっちゃけですが、
- 相手次第で変わる。
- 比較対象で変わる。
- 場の空気やルールで正解が変わる。
- 今日認められても、明日には相手の気分で揺らぐ。
だからこそ、ある時期からは、外側の基準だけではなく、自分の内側の感覚を大切にしても良いのだと思います。言い換えると、自分を知った上で、自分に合う人生を選び直すことです。そうすると、自分の中に少しずつ育っていくものもあります。
- 自分で整えられる感覚
- 自分で戻れる感覚
- 自分は自分を裏切らないという感覚
- 自分に合う場所を選べる感覚
- 苦手なものを無理に主戦場にしなくて良いという感覚
これが育ってくると、少しずつ感覚が回復してきます。そして自由になります。不思議なもので、この感覚が育ってくると、周囲にも、自然に共鳴してくれる人も集まってきます。
纏めると、「私は何者に見えるか」より、「私はどう生きると自然か」。この軸に戻れるようになると、ダンスも人生も、静かに整っていきます。
🎯 まとめ:最初の質問に戻ります
本稿の答えはこうです。
勝ち負けの二択にせず、少し離れて自分の席で整える(回復する)
まずは、嫌なものは嫌と認めて良い。
前線から少し離れて、自分の合った席へ戻る。
承認依存型のプライドは捨てて良い。
その上で、自分が回復できる環境で整える。
回復力とは、元に戻る力ではなく、壊れない形に組み替える力でもあります。ダンスは、ずっと頑張るためだけにあるものではありません。疲れた時に、自分に戻るための場所でもあります。
気持ちよく呼吸できる、小さな席へ戻る一歩が、きっと次の回復につながります。
またフロアで。
SHINJI
フェーズについて深掘りしたい方は、以下もご参考下さい。
【Vol.103】ライフステージとともに変わる──ダンスへの関わり方と人間関係のポートフォリオ
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