【Vol.141】ソーシャルダンスが上達する人の共通点

Bachata

【Vol.141】ソーシャルダンスが上達する人の共通点

こんにちは、SHINJIです。
先日、ソーシャルの場でこんなご相談をいただきました。

「レッスンは受けているのですが、まだ自信がありません」
「踊っていても、上手くなっている実感もあまりなくて、ソーシャルで人を誘うのを躊躇してしまいます」
下手だと思われたらどうしよう、相手に迷惑をかけたらどうしようと思ってしまうのですが、どうしたらいいでしょうか?」

これは、とても自然な悩みだと思います。レッスンには通っている。ステップや技も覚えてきた。でも、いざソーシャルで誰かを誘おうとすると、自信がなくなる、躊躇する。

今日はこのご相談を起点に、レッスンは受けているけれど自信が持てない方に向けて、ソーシャルダンスが上手くなる人の共通点と一緒に、一歩踏み出すための考え方を整理してみます。

◆ 結論:あとは”小さくやってみる”だけかもしれない

いつもの通り、まず結論です。20年間現場を見てきて思いますが、レッスンを受けて、基礎を学び、丁寧に踊ろうとしている方であれば、次に必要なのは「もっと勉強すること」よりも「小さく実践してみること」かもしれません。

言い換えると、もう「あとはやるだけ」の段階に入っている方が多いです。

もちろん、いきなり上手く踊る必要はありません。大切なのは、完璧を待つことではなく、今できる範囲で小さく一曲踊ってみて、かつ定期的に実践すること。その仕組みが、経験値になり、少しの自信になり、次の上達につながっていきます。

◆ 分析:躊躇してしまう理由を整理してみる

まず前提として、レッスンを受けているのにいざソーシャルになると躊躇する、自信が出なくなる理由を整理してみます。ざっくり3つあると考えます。

1つ目:レッスンとソーシャルでは、そもそも”環境”が違う

こちらは、誰もが一番初めに直面する壁です。レッスンでは、先生がいて、順番が決まっていて、相手も同じことを習っています。でもソーシャルでは、相手が毎回違います。曲も違います。混雑具合も違います。相手の経験値も、テンションも、踊り方も違います。

つまり、ソーシャルはレッスンよりも変数が多い状態です。

だから、レッスンでできたことがソーシャルで急に出なくなるのは、失敗ではありません。それは単に、環境が変わった時の経験値がまだ少ないだけとも言えます。

2つ目:「上手く踊る」を目標にしすぎているから

20年間の現場経験に基づき、ソーシャルで自信がない時、多くの方は無意識にこう考えているように感じます。

  • 上手く踊りたい
  • 相手を楽しませたい
  • ミスしたくない
  • 周りから変に見られたくない

もちろん、その気持ちはとても真面目です。ただ、最初から「上手く踊る」を目標にすると、ハードルが高すぎます。ソーシャルで最初に目指すべきことは、完璧に踊ることではありません。一曲を丁寧に、相手を大切にしながら、最後まで踊ること。まずはここで十分です。

3つ目:「自信がついたら踊る」と考えているから

これは一見正しそうなのですが、ソーシャルダンスでは少し順番が逆かもしれません。自信がついたら踊る。ではなく、 小さく踊るから、自信が少しずつ育つ。こちらの方が、実際には近いと思います。

言い換えると、ソーシャルで必要な力は、ソーシャルで踊る中で育ちます。具体的には、

  • 誘う勇気
  • 断られても気にしすぎない心
  • 相手との距離感
  • ミスしても戻る力
  • 一曲を最後まで踊る落ち着き
  • 自分の実力を少しずつ受け入れる感覚

ちなみにこれらは、レッスンだけでは完成しません。レッスンで学び、ソーシャルで少し試し、またレッスンに戻る。この循環の中で、少しずつ育っていきます。

◆ 解決策(アクション)

ここから具体的なアクションを見ていきたいと思います。

◆ 解決策1:レッスンとソーシャルを”セット”にして考える

レッスンで習い、ソーシャルで試す。別々の物と捉えず、セットとして考えて、定期的に双方を実践することにより、慣れが早くなります。

◆ 解決策2:今日の目標を「上手く踊る」ではなく「1曲誘う(誘われる)」にする

次に、躊躇してしまう方におすすめしたいのは、目標を下げることです。自信が無い時、ソーシャルで、いきなり「今日はたくさん踊ろう」「上手く見せよう」と考えると、かなり緊張しますので、目標を小さくします。

今日の目標は、上手く踊ることではなく、1曲だけ誰かを誘う(誘われる)こと。

これで十分です。ちなみに、誘う言葉も事前に決めておくと楽です。

  • 「よかったら一曲お願いします」
  • 「まだ練習中ですが、よかったらお願いします」
  • 「簡単な感じで一曲お願いできますか?」

誘い方に正解を求めすぎなくて大丈夫です。大切なのは、相手に丁寧に声をかけることです。断られたら、「ありがとうございます。またお願いします」で終われば大丈夫です。これも、ソーシャルの世界における、大切な練習です。

◆ 解決策3:1曲の中で、テーマを1つだけに絞る(分解する)

次に大切なのは、やることを増やしすぎないことです。自信がない時ほど、ソーシャル中に頭の中が忙しくなります。

「あの技を出そう」
「このステップも使おう」
「音に合わせなきゃ」
「姿勢も気をつけなきゃ」
「相手の反応も見なきゃ」

これを全部同時にやろうとすると、体が固まります。だから、1曲の中で意識することは1つだけで大丈夫です。言い換えると、分解して一つに絞る、です。上達というと、どうしても、完成された美しいペアダンスを想像しがちですが、実際には、一つ一つの地味なステップやリード&フォローを、丁寧に行うだけでも、積み重ねになります。例えば、

🕺 リーダーのポイント
・難しい技を増やすより、まずはベーシックと簡単な流れを丁寧にする。
・相手が分かりやすく受け取れるリードを意識する。
・1曲の中で分解し、「今日はこれだけ」とテーマを決める。

💃 フォロワーのポイント
・全部を完璧に反応しようとしすぎず、まずは音と相手の方向を感じる。
・分からない時も慌てず、ベーシックに戻る。
・無理に飾ろうとせず、自然な笑顔と丁寧な体重移動を大切にする。

事実として、ソーシャルでは、派手なことよりも、安心して踊れることが大切です。そして、安心して踊れる人は、結果的にまた誘われやすくなり、それが上達への良い循環に繋がっていきます。

◆ 解決策4:レッスンで習ったことを、1週間以内に1つだけ復習する

レッスンで学んだことは、時間が経つほど薄れていきます。だからおすすめは、レッスン後すぐ、または次のソーシャルで、1つだけ復習することです。お勧めは、忘れないうちに、1週間以内を目途に、再度試すことです。全部を使おうとしなくて大丈夫です。

  • 習ったステップ・技を1回だけ使う
  • 注意された姿勢を意識する
  • 習ったペアワークを、自分でも分かりやすくできる流れにして試す

これくらいで良いと思います。大切なのは、レッスンで学んだことを、頭の中だけで終わらせず、定期的(週次くらいで)に復習、実践することです。この循環ができると、上達は少しずつ現実になります。

◆ 論点:「まだ自信がない」は、躊躇する理由ではなく、小さく分解して進むサイン

今回の論点はここです。「まだ自信がない」は、ダンスを躊躇する理由ではなく、小さく分解して進むサインだと思います。

多くの方にとって、ペアダンスは趣味なので、無理をする必要は勿論ありません。一方で、「自信がないから、まだ踊らない」だと、ソーシャルで必要な経験値がなかなか増えず、趣味なのに悩んでしまう、ということも出て来るかと思います。

ちなみに学習開発の世界では、よく「70:20:10の法則」が使われます。人は、10%を研修や座学で学び、20%を周囲からのフィードバックやOJTで学び、残りの70%を実際の経験から学ぶ、という考え方です。

私自身は、これはダンスも同じと考えています。言い換えると、レッスンで学ぶだけではなく、ソーシャルでも分解して小さく試すことで、初めて体に入っていく、というスタンスです。

言い換えると、上達する人は「習ったことをそのまま踊る人」ではなく、「習ったことを小さく実践し、試行錯誤しながら自分の中で成熟させていく人」なのだと思います。これは、自信がないから、やめる。ではなく、できる範囲から、小さく・丁寧に・分解して一つ一つ成熟させていく。という感覚です。

人生の階層でも、例えば、仕事や人間関係で、新しいことを始める時に、最初から全部できる人、自信満々な人は多くありません。ほとんどの場合は、

少しやってみる → 失敗する → 学ぶ/慣れる → できるようになる

この積み重ねの中で成熟していくはずです。また、自信自体はその行動と一緒についてきます。なので、ダンスは丁寧に一曲。まずは、簡単なことを一つ。まずは、相手に敬意を持って踊る。だと思います。

そして、レッスンを受けている方の多くは、実はもうかなり準備ができています。足りないのは、才能ではなく、あとはやるだけ。そう考えると、ネクストステップは、意外とシンプルです。

◆ 纏め:最初の質問に戻ります

最初の質問に戻ります。

「レッスンは受けているのですが、まだ自信がありません」
「上手くなっている実感もあまりなくて、ソーシャルで人を誘うのを躊躇してしまいます」
「下手だと思われたらどうしよう、相手に迷惑をかけたらどうしようと思ってしまうのですが、どうしたらいいでしょうか?」

この悩みに対する私の答えは、もう少し上手くなってからではなく、今の自分のまま“小さく一曲”踊ってみる、です。

レッスンを受けて、基礎を学び、丁寧に踊ろうとしているなら、もう「何もできない人」ではありません。

あとは、小さく試すだけです。言い換えると、あとはやるだけ、です。

自信がついたら踊るのではなく、踊るから自信が育ちます。下手に思われないように踊るより、相手を大切にしながら、今できることを丁寧に踊り、自分の中で成熟させていく。それができれば、十分素敵な一曲になります。

またフロアで。SHINJIでした。


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